「コレマデ/コレカラ」4月の話し手は、池田町の奥深い山に暮らす総合芸術家・川崎満孝さん。
その深く豊かな語りとパフォーマンスに心を動かされた参加者・福島修道さんから、珠玉の感想文が届きました。
その全文を2回に分けてご紹介します。
第2回は、池田町に移住した後から現在に至るまで。
世界を旅したのち、日本に戻った川崎さんは、松本市を経て、長野県池田町の古民家へと移住。
そこで始めたのは、陶芸やエッチング、音楽といったジャンルを横断する創作活動。川崎さんが目指したのは、分野にとらわれない「総合芸術」の世界。日々、自らの魂と向き合いながら、静かに、そして情熱的に表現を積み重ねていく。
そして、50歳になり、ドンキーおじさんと名乗って、ドンキホーテの装いで、音楽パフォーマンスを各地で演じるようになった。見る者、聞く者を、素晴らしいメルヘンファンタジーの世界に案内してくれる。
独学で身につけたピアノ、ドラム、タブラ、手作りパーカッション、尺八、バイオリン、ハーモニカ──
それら多彩な楽器を駆使しながら、演奏だけにとどまらず、歌い、踊り、詩を読み上げ、全身で表現する川崎さんの姿は、まさに“道化師=アーティスト”としての真骨頂。
道化師になって、世界を遍歴し、平和を願い、世の人々の幸せを願いつつ、愛と笑を人々に提供したいと願って、
明るく、楽しい歌や、人の心を静かに打つ美しい曲などを作詞作曲演奏し続けている。
川崎さんは現在78歳。それでも衰えることのない創作意欲で、日本の精神性を象徴する霊峰・富士山を描くことを、彼は“ライフワーク”として続けている。
この日のイベントでも、その世界観は存分に発揮された。
音楽パフォーマンスでは、8曲を披露。その一つひとつに、笑いと祈りと深い愛が込められていた。
- ❶ 明るく、楽しくハッピーに♪
- ❷ ハートは宝だ♪
- ❸ 心に生きる♪
- ❹ どんどんどんどん良くなりたい♪
- ❺ サンバレー♪
- ❻ アンパンマン♪
- ❼ 俺はチンドン屋♪
- ❽ 聖者の行進♪
そのステージを見届けた私は「川崎満孝ドンキーおじさんは、フィクションではない本当に生きている、現代日本のドンキホーテだなぁ!」と、心に強く刻まれました。
まっすぐに、ただまっすぐに「正しく生きることの美しさ」を教えてくれた川崎さんに、心からの感謝と尊敬をこめて、ミュージカル『ラ・マンチャの男』の主題歌、「見果てぬ夢(The Impossible Dream)」の詩を贈ります。
夢は、実り難く 敵は数多なりとも
胸に悲しみを秘めて われは勇みて行かん♪道は極め難く 腕は疲れ果つとも
遠き星をめざして 我は歩み続けん♪これこそわが宿命 汚れ果てしこの世から
正しきを救うために♪いかに望み薄く はるかなりとも
やがていつの日にか 光満ちて♪永遠の眠りにつく その時まで
たとえ傷つくとも
力ふりしぼりて 我は歩み続けん
あの星のもとへ♪
イベント参加者・iさんの感想より
イベント終了後、私が声をかけて参加してくれたiさんから、こんなメッセージが届きました。
率直なことばの中に、心を揺さぶられた余韻が溢れています。
ドンキーおじさんの話とSさんの質問と受け答えを聞いて思いました。行くとこまで行った人のなんかユーモアとか遊び心があるんですよね。所詮人間であることを認めている気がします。
普段悩んでいることが結局所詮人間だよって教えてくれている気がする。
ちっぽけな自分を大事にしながら、楽しいと思うことをしていきたいと思いました。全力で楽しんでますよね。でも確かな1本の何かの筋が通っている。まるでりんごの樹みたいです。
そのリンゴの木の枝をきちんと自分で剪定している。Sさんやドンキーおじさんの話を聞いて思いました。自分もお二人のような筋の通った1本の木に 自分の中に気づきたい!築きたい!
そのように思い、自分によくあるあるの照れ屋恥ずかしがりやの自分が出てきて、そそくさとイベント終わって帰りました。
でも、イベントの後テンションめっちゃ上がってきて、お二人がかっこいいな!と正直思いました。楽しかったです。
以上が、福島修道さんの感想です。
川崎さんの人生と芸術に触れることは、他者の心に静かに火を灯すことでもあった気がします。
iさんの感想がそれを物語っているように、あの場にいた一人ひとりが、自分の「これまで」と「これから」を照らす光を受け取っていたのかもしれません。川崎さんの姿を通して、自分に正直に、愛をもって、ユーモアを忘れずに生きることの大切さを、改めて感じることができました。
今後もまた、こうした「誰かの人生が、誰かの人生に光を与える」場をつくっていけたらと思います。
川崎満孝さん、そしてご参加いただいたすべての皆さんに、心より感謝を込めて・・
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