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つながりから 新しい価値創出を 地域に 社会に

『つ・む・ぐ ~織人は風の道をゆく~』とSBNR・・・3人の出演者と監督の視点からの考察

近年、宗教的な枠組みにとらわれないスピリチュアルな価値観を持つ「SBNR(Spiritual But Not Religious)」という概念が注目されています。これは、特定の宗教に属さずとも、精神的なつながりや霊性を重視する考え方を指します。『つ・む・ぐ ~織人は風の道をゆく~』は、伝統文化、自然との共生、医療、音楽、スローライフといった要素を通じて、人間が本来持つ「スピリチュアリティ」への回帰を促す作品であり、SBNRの視点からも非常に興味深いものとなっています。

1. 織物を通じたスピリチュアリティの表現

映画の中心テーマである織物は、単なる衣服の製作ではなく、精神性や宇宙観の表現として捉えることができます。タイのイサン地方で織られる布には、地域ごとに異なる模様や技法があり、それぞれに意味や祈りが込められています。これは、日本の「もののけ(霊)」の概念や、アメリカ先住民の「スピリット」の考え方と通じるものがあり、SBNRの視点から見ると、物質を超えた存在とのつながりを象徴していると言えるでしょう。

また、さとううさぶろう氏が提唱する「いのちが宿る服」の思想は、単なるファッションの枠を超えたスピリチュアルな実践と捉えることができます。機械による大量生産ではなく、人の手によって紡がれた布には「魂」が宿るという考え方は、古来から世界各地の伝統文化で見られるものです。彼の活動は、現代の消費社会におけるスピリチュアルな空白を埋める試みとも解釈できます。


2. 医療とスピリチュアリティ

映画に登場する医師・船戸崇史氏は、西洋医学だけでなく、東洋医学や補完代替医療を取り入れた診療を実践しています。特に、在宅医療における「看取り」の重要性を説いており、患者が最期を穏やかに迎えられる環境を整えることに力を注いでいます。

この考え方は、SBNRの観点から見ると「ホリスティック・ヘルスケア(全人的医療)」に通じるものがあります。西洋医学は科学的エビデンスに基づいた治療を重視しますが、SBNRの立場では、精神的な充足や人生の意味を見出すこともまた、健康の一部として捉えます。船戸氏のアプローチは、宗教的な枠組みに縛られることなく、患者の精神的な安らぎを重視している点で、まさにSBNR的な医療の実践と言えるでしょう。

さらに、クリニック内に自然食レストランを併設するなど、食と健康のつながりにも焦点を当てています。これは、仏教的な「食養生」や、ヨガ哲学における「サットヴィック(純粋な食)」の概念にも通じており、身体と心の両方に働きかける治療法として評価できます。


3. 自然との共生とスピリチュアリティ

歌手のYae氏は、音楽活動と並行して千葉県鴨川市の「鴨川自然王国」で農的な暮らしを実践しています。彼女のライフスタイルは、単なる「田舎暮らし」ではなく、自然と調和した生き方を模索する実践そのものです。

SBNRの視点では、「自然との一体感」はスピリチュアリティの重要な要素とされています。特定の宗教施設や儀式を必要とせず、自然の中で過ごすことそのものが精神的な充足をもたらすという考え方は、ヨーロッパのニューエイジ思想や、日本の神道的な自然崇拝と深く関係しています。Yae氏が実践する農業と音楽の融合は、人間が本来持っていた「自然とともに生きる」という感覚を取り戻す手助けをしていると言えるでしょう。

また、彼女が手がける楽曲は、環境や平和をテーマにしたものが多く、言葉やメロディを通じて「目に見えない世界」とのつながりを感じさせるものがあります。これは、音楽を通じたスピリチュアルな体験を提供する一つの形態であり、SBNRの考え方と共鳴する部分が多いと言えます。


4. 吉岡敏朗監督の視点:精神性を映し出す映像表現

吉岡敏朗監督は、本作の制作にあたり、7年間にわたる取材と撮影を行っています。この長期間のアプローチは、単なる情報伝達を目的としたドキュメンタリーとは異なり、登場人物たちの「生き方」そのものを映し出すものになっています。

監督の作品には、視覚的な美しさと静謐な雰囲気が特徴としてあります。特に、織物の制作過程や、船戸氏の診療風景、Yae氏の暮らしなどを丁寧に映し出すことで、観客自身が「スピリチュアルな時間」を体験できるようになっています。これは、映像による瞑想的な体験とも言え、SBNR的な視点から見ると、「宗教的儀式ではないが、深い精神性を感じられる映像表現」として評価できます。


『つ・む・ぐ ~織人は風の道をゆく~』はSBNR的な価値観を体現する映画

この映画は、伝統文化、医療、音楽、農業といった多様な要素を通じて、「人間のスピリチュアリティとは何か?」という問いを投げかけています。そして、特定の宗教的枠組みに頼らずとも、精神的な豊かさを感じることができる生活や実践が可能であることを示しています。

SBNR的な視点から見ると、本作は「目に見えないものへの畏敬の念」「自然とのつながり」「個人のスピリチュアルな探求」というテーマを描いた作品であり、多くの現代人が求める「宗教を超えた精神的な充足」への道を示唆していると言えるでしょう。

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