20年後、あなたのまちは、どうなっていると思いますか?活気ある商店街、子どもたちの声が響く公園、未来を語り合う若者たちの姿。そんな風景を思い浮かべる人もいれば、ひっそりと静まり返った通学路、荒廃した空き家が並ぶ住宅地、姿を消した公共交通…そんなまちの未来を想像し、不安を感じる人もいるかもしれません。
いま、地方自治体は確実に“二極化”しはじめています。
人口減少の波は全国に押し寄せていますが、その影響の現れ方には明らかな差が生まれています。
荒廃が進み、問題が山積する自治体もあれば、人口は減ってもスピードを緩やかにし、柔軟に変化しながら活力を保つ自治体もあります。
その差を生んでいるのは、「自然環境」や「地理的条件」ではありません。差を生むのは、「今、どう判断し、どんな行動をとっているか」。つまり、“現在の意思決定と政策実行の質”なのです。人口減少という共通課題のもと、「現状維持にとどまる自治体」と「変化を受け入れ挑戦する自治体」がはっきりと分かれはじめ、二極化は加速しています。
この10年で、どんな未来を選び、どう動くか。
地域のビジョンと、それを実現する政策、そしてそれを引っ張るリーダーのあり方こそが、再生か衰退かの分かれ道となるでしょう。
1. 二極化する地方自治体の現状
(1)変化を拒む自治体の特徴
変化を恐れ、従来のやり方に固執する自治体には、こんな傾向が見られます。
- 過去の成功体験にしがみつく
かつての繁栄を支えた産業や施策にこだわり、時代に合った取り組みに踏み出せない。 - 意思決定の遅さ
「前例がない」「失敗したらどうする」といった声に押され、政策がなかなか前に進まない。 - 外部や若者への閉鎖性
移住者や起業家のアイデアを受け入れず、“よそ者”を警戒し、変化の風を遮ってしまう。 - 計画倒れに終わる政策
立派な地域振興計画を作っても、実行に移されず、住民の暮らしの変化につながらない。 - 国や県の動向待ち
「上からの方針が出るまで…」と判断を先延ばしにし、自らの意思決定を持てない。
こうした自治体では、地域経済の停滞や若者の流出が止まらず、まちは静かに衰退していきます。
(2)挑戦を恐れない自治体の特徴
一方で、未来に向けて一歩ずつ動き出している自治体もあります。
彼らに共通しているのは、こんな姿勢です。
- 明確なビジョンを持つ
「このまちをどうしたいのか?」という未来像を、住民や事業者と丁寧に共有している。 - 柔軟な発想とスピード感
計画にこだわりすぎず、社会の変化に即応してトライ&エラーを繰り返す。 - 外部人材の受け入れ
U・I・Jターン、企業誘致、NPOとの連携など、“まちの外”から人や知恵を招き入れている。 - 住民主体のまちづくり
行政だけでなく、住民や事業者、NPOとともに一体となって地域を動かしている。 - 国や県に頼らない、地域判断
「私たちはこうする」と、主体的な地域経営を実践している。
こうした自治体では、外からの人材やお金、情報が循環し、新しい挑戦が次々と生まれています。
そしてなにより、住民の中に「自分たちで変えられる」という希望が芽生えています。
2. なぜ、二極化が進むのか?
(1)社会変化のスピードに追いつけていない
AI、気候変動、働き方改革、少子高齢化…社会は今、過去にないスピードで変わっています。
にもかかわらず、計画を“作ること”が目的化している自治体は、その変化に対応できません。
時には、計画が完成した頃には、もう社会は一歩先を行っていることさえあるのです。
「まずやってみて、あとで修正する」
そんな柔軟さこそ、これからの自治体に求められる力です。
(2)人材とリーダーの“熱量”が未来をつくる
まちを変えるのは、“人”です。
とくに首長や職員の熱意と行動力は、地域の方向性を大きく左右します。本気のリーダーがいるまちは、スピード感を持って意思決定し、住民や外部人材と共に地域を動かしていきます。
逆に、「無難に」「波風立てずに」を選び続けるリーダーのもとでは、停滞が続きます。
(3)外とつながれるかどうか
大学、企業、NPO、他自治体…。
今や、地域課題は“中だけ”では解決できません。外とのネットワークや連携を生かせる自治体ほど、柔軟な施策や資金の流れ、情報の広がりを得て、好循環が生まれています。
3. 挑戦する自治体が生き残るためのポイント
(1)「まずやってみる」を許容する風土
- 空き家を使ったチャレンジショップ
- 地域通貨やシェアエコの実験
- IoTやドローンなどの新技術導入
“試す→学ぶ→改善する”というサイクルを回すことで、小さな成功体験が地域に根づきます。
(2)よそ者・若者・変わり者を仲間にする
- 地方でのスタートアップ支援
- 移住者との交流イベントや場づくり
- 学生や若手職員のアイデア活用
異質な視点こそ、地域に新しい風を吹き込む原動力。排除ではなく、共創へ。
(3)役割を分けて、力を合わせる
- 地域商社やまちづくり会社の設立
- クラファンを活用した住民参加型プロジェクト
- 地域ブランドの発信戦略
行政が“全部やる”のではなく、民間の柔軟さやスピード感を取り入れる。
そんな「役割分担のうまさ」が、次の一歩を生み出します。
これからの10年が、まちの未来を決める
今、地方自治体の未来は、不可避な人口減少にどう対応するかという“政策判断”によって大きく分かれています。地域の可能性を左右するのは、自然条件や立地の良し悪しではありません。この10年間にどんな意思決定を下し、どう実行していくのか。
計画をつくるだけで終わらせず、変化に応じて柔軟に動ける力。そして、国や県の顔色をうかがうのではなく、「このまちの未来は、私たちが決める」と覚悟を持って動けるかどうか。それが、これからのまちの命運を決める分岐点です。
私たち4DeeRは、地域の中に眠る資源や、人の想いをカタチにしながら、挑戦する自治体や地域住民と共に、持続可能な未来を紡いでいきます。変われる力は、いつも、足元にあります。
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