SBNRとは、「Spiritual But Not Religious」の略で、直訳すると「宗教的ではないがスピリチュアル」という意味です。これは、特定の宗教を信仰していないものの、精神的な豊かさや内面的な充実を求める人々を指す言葉です。近年、欧米を中心にこのSBNR層が増加しています。それはなぜなのか?
SBNR(Spiritual But Not Religious)的な価値観を持つ人が増えている要因について、社会的・文化的な変化を踏まえて分析します。
1. 伝統的宗教の影響力の低下
日本でも神道や仏教といった伝統宗教への関わりが薄れ、特に若い世代の宗教的儀礼への参加率が低下しています。都市化や核家族化がこの傾向をさらに加速させています。伝統的宗教の形式よりも個人の自由を重視し、瞑想やマインドフルネスを通じて精神的充足を求める人が増加しています。
2. ストレス社会への対応
競争社会の中でストレスやメンタルヘルス問題が顕著化し、瞑想やヨガなどスピリチュアルな実践が注目されています。また、大手企業のマインドフルネス研修導入をきっかけに、自分自身と向き合い内面的な成長を目指すライフスタイルが広まりました。
3. 自然回帰・エコ意識の高まり
環境破壊や気候変動を背景に、「自然との共生」を目指すスピリチュアルなライフスタイルが注目されています。都市のストレスから解放され、オーガニック農業や田舎暮らしを通じた精神的豊かさを追求する動きが加速しています。
4. 新しい価値観とライフスタイルの変化
物質的成功よりも「心の豊かさ」「自由な生き方」を重視する世代が登場し、精神性を重視した働き方や生活が拡大しています。「自分軸」の価値観が浸透し、ワークライフバランスや「好きなことを仕事にする」価値観が広がり、個人が自己探求や精神的充実を目指すようになっています。
5. 物質的豊かさの追求からの転換
大量消費社会への反省から「物質的豊かさ≠幸福」と考え、シンプルで持続可能な暮らしを求める人が増えています。資本主義社会における過剰な競争より、心身の健康が優先されマインドフルネスや自己成長を目指すSBNR的価値観が共感を呼んでいます。
6. 「ポスト資本主義」とSBNRの親和性
フェアトレードやオーガニック食品など、環境や社会に配慮した消費行動が「精神的豊かさ」を求めるSBNR層に広がるほか、「モノ」より「経験」(旅行、ワークショップ、瞑想リトリート等)を重視する価値観が拡大しています。また、コミュニティベース経済の広がり個人主義的資本主義に対し、「つながり」を大切にするローカルコミュニティやシェアリングエコノミーがSBNR層に支持されています。
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